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このところ、だいぶ暑くなってまいりました。東京では、最高気温が35度を超えるなど、夏本番の始まりです。カレンダーを見ると、今日は「土用」とあります。「土用の入り」で、ウナギを食べる「土用の丑の日」は今年は26日です。
先月は熊本で美味しいウナギを賞味する機会を頂き、このブログでも書かせていただきましたが、丑の日に東京でウナギは高価なため食べられないような気がします。スーパーで中国産のウナギを購入し家で食べるのであれば可能ですが、以前農業関係のマスコミの人に「食べる機会を減らしてでも、ウナギを食べるなら国産にしておいたほうがよい」とアドバイスされたため、国産にこだわりがあります。

しかし、ウナギなどのご馳走ではなく納豆や豆腐も、以前は国産大豆オンリーの品を選んでいましたが、最近は外国産の大豆を原料とした製品が食卓にあがることもあります。確かに、味の違いはあまりわかりません。昨今の物価高で、こうした身近な食材にも影響が出ていることに、せちがらさを感じます。

そんな暑苦しさを和らげてくれるような、暑中見舞いのグリーティングカードが、著者の奥様から今夏も届けられました。とても良くできていて、錯視というか、窓辺に置くと本当に金魚鉢に水が入っているように見えます。
ここで一句、「茹(ゆだ)る夏 涼を求めて 金魚かな」



閑話休題。今月10日、弊社雑誌「季刊歯科医療」2026年夏号が発刊されました。
特集は、「歯根破折の発生メカニズムと最新治療法」です。人間の歯は、加齢とともに歯は固くなりますが、同時にもろくもなります。う蝕や歯周病とともに、歯を失う原因の多くを占める歯根破折は、高齢化社会に伴い対応が求められる機会が増えてきます。先生方の日常臨床にすぐに役立てていただける特集です。
また、7回にわたり連載された土肥健二先生の「歯科診療システムの科学」が最終回を迎えました。土肥先生の歯科医療や患者さんに対する強い思いが感じられる連載です。
是非ご購読ください。


<季刊歯科医療2026年夏号 編集後記>

◉今号の特集は「歯根破折の発生メカニズムと最新治療法」です。歯根破折は、歯周病や齲蝕に続いて歯を失う原因となっています。歯根破折の既往歴を持つ私にとっては、個人的にも大変興味深いテーマです。歯周病や齲蝕の予防として歯磨きを行うように、歯根破折も患者自身で予防できる要素が多分にあります。弊社発刊の『お口の取扱説明書』(2022年、吉田渉先生著)の副題は、「健康でいたければ、よく嚙むのをやめなさい」という逆説的な文言ですが、歯根破折の予防はこれに尽きると、強く嚙み締めてしまった私が痛感するところです。

本特集では、前田英史先生が、高齢者における歯根破折を考察されています。身近なテーマとして、先生方の日常臨床の一助としていただければ幸いです。   (Y)

 

◉本拙文を書こうとした最中に、美輪明宏さんの訃報を知りました。声優として出演した人気アニメなどで若い方々にも知られていますが、私たちにとってはやはり丸山明宏の時代からの三島由紀夫氏との交流や、名曲『ヨイトマケの唄』でしょうか。若い頃に読んだ美輪さんの自伝『紫の履歴書』では、美しく生まれながら異端として扱われ続けた苦しみや世間との戦いが胸に刺さりました。

あるとき美輪さんがテレビで、「地球を宇宙から見たとき、どこにも線など引かれていない。人間が勝手に線を引いて、自分の土地だと言っているだけ」などと話されていました。戦争の多くも領土の争いから始まります。三輪さんが生前に書き残されたという「愛があれば戦争なんか起こりません」という言葉の意味を、深く考えさせられました。  (K)

 

◉巨人の阿部慎之助監督が、思いもよらない事件で退任となりました。事件になってしまった最大の原因は、阿部氏が手をあげたことはもちろんですが、AIの残念な利用にあるように思います。18歳の成人の相談に、なぜ対象外の「児相に連絡せよ」という回答になるのでしょうか。娘さんが年齢を入力しなかったのであれば、AI から確認するべきです。前提を間違えれば、正しい結論は出ません。私も時にはAI で調べ物をしますが、AI は間違えることも多いです。

分野にもよりますが、感情が絡むような問題などは今のところ人間に適わないでしょう。歯科の分野でもAI を利用する方が増えてきており、皆さん、適切な利用をされています。ただ、ネットなどの一部で、議論の結果をAI の回答で締めくくるページを見ると、鼻白む思いです。AI はあくまでもツールに留め、そのまま使うものではないと肝に銘じました。   (T)

 

◉土肥健二先生の「歯科診療システムの科学」が、今号で最終章を迎えました。Dr. ダリル・ビーチからの教えに始まり、横浜の地から歯科の歴史と原点とを振り返った大作といえる連載でした。今回の第7章は「歯科医療難民に手を差しのべる持続可能な診療システム」として、顎・顔面左右非対称、咬合違和感症候群、歯科心身症など難症例への患者さんへの対応を、システム立てて論述されています。どこの歯科医院に行っても対応してもらえない、仮に診てもらっても改善しないという悩みを抱えた患者さんを救いたいという、強い思いが感じられる論文です。

39年前の弊誌創刊の頃に原稿をお寄せいただいた頃と本質は全く変わらない、土肥先生はどこまで行っても土肥先生だったと、改めて感じ入りました。  (F)

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6月14日(日)、有楽町の東京国際フォーラムで開催された第44回日本顎咬合学会学術大会を取材に行ってきました。6月13日から2日間にわたって開催された大会です。私の当日のお目当ては、西川洋二先生、小出馨先生、佐藤貞雄先生の3人の咬合学・咬合治療の大家による「後世に受け継ぎたい咬合の教え」と題された講演です。

一番手の西川洋二先生は、顎関節症の2つの症例を取り上げ、スプリント療法で改善がなされた経過を紹介されました。2人の患者さんは共に、顎関節症が原因でメンタルをもやられ、心療内科等に通院していました。本当に藁にもすがる思いで咬合治療を受けられたのだと思います。
原因の除去をするのが歯科医療であり、下顎位が安定することにより快適な咬合を与える、と話されていました。それが恩師の寿谷一先生からの教えであるとして、それをまた若手歯科医師に伝えるということで、今回のテーマである「後世に受け継ぎたい咬合の教え」にまさにぴったりの講演内容でした。

次に登壇された小出馨先生は、弊社の季刊歯科医療2025年冬号・春号に、「インプラント治療における顎機能診断と咬合構成の要点」とのタイトル(春号はご子息の耀先生と連名)で、計31ページにわたる重厚な論文をご執筆いただきました。
座長の難波錬久先生とは日本歯科大学の同窓であり、弊社も以前お世話になった同大学の小林義典教授のエピソードにも触れられていました。
小出先生もやはり顎関節症と咬合についてお話しされましたが、なかでも触診の重要性について力を込めておられ、後世に教えを受け継ごうとする熱意を感じました。



トリを務められたのは佐藤貞雄先生です。長年にわたり大変お世話になっている先生で、弊社から多数の著書を発刊させていただいております。
当日は先生のかねてからの持論でもあるストレスとブラキシズムの関係について、実験結果などのエビデンスに基づく解説をされ、「ブラキシズムは悪者ではない」ことを説かれていました。



そして、咬合再構成治療で重要なのはやはり下顎位であり、病的な下顎位を治療下顎位に順次誘導するスラビチェックのシークエンシャル咬合の核心を解説され、さらに「犬歯の角度を強くし過ぎるな」というような臨床上の具体的なポイントも伝授してくださいました。

こうした3人の先生方の教えは後世に引き継がれ、後進の方々によってさらに進化していくことを願ってやみません。

弊社では来月(7月)初め、佐藤貞雄先生編著による単行本『咬合再構成における治療下顎位(ThR)って何?』を発刊いたします。
口腔と全身の健康は咬合からです。本書は多数の写真とイラストを駆使し、わかりやすく解説されています。咬合治療の入門編としても最適であり、多くの歯科医師の先生方にお読みいただきたい書籍です。是非ご購読ください。

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先週、6月7日~9日まで、九州へ仕事を兼ねた旅に行ってきました。九州は私の故郷でもあるため親戚や知人も多く、また仕事上でお世話になっている先生方も多数いらっしゃいます。
今回は、私としては珍しく、グルメと言えるような美食が旅のメインでした。
まず到着した日の夕食は、大分市内の親族が自宅で鉄板焼きをご馳走してくれました。肉だけでなく新鮮な野菜も多数取り揃えて次々と焼いてくれて、とても美味しかったです。

翌日の夕食は、私が知る限り最も食通の一人だと思われる舩津雅彦先生に、熊本市内のウナギの名店「ぬた屋」さんへご招待いただきました。
店内はカウンター席が7、8席のみで、店主が一人で料理から接客までこなします。店主によれば、一人で仕切るにはこの人数が限度のため、あえてこの店舗を探したのだとのこと。何か月も先まで予約が埋まっているという人気店で、舩津先生が私のために以前から予約してくださっていたそうです。
当日、頂いたのはウナギのフルコースですが、生きたウナギをその場でさばいて調理してくれます。こんな食べ方をしたのは初めてです。



最初は白焼きからです。






ワサビや山椒の薬味を添えていただきましたが、さっぱりして美味しいです。
その後も、酸味のあるウナギの南蛮漬けや温玉添えなど、次々と賞味しました。
合わせるお酒は焼酎の赤兎馬(せきとば)です。吉川英治の三国志を愛読していたので、赤兎馬という名馬は董卓(とうたく)や関羽など何人か持ち主が変わりますが、呂布(りょふ)が乗っていた時期もあったな、呂布は面白い男だったな…などと、思いを巡らせながら頂きました。









最後は、たれを絡めたお馴染みのうな丼で食事です。



お陰様で大変美味しいお料理を堪能いたしました。

店主が店内や料理などの写真撮影とネットへのアップを快く承諾してくださったので、当ブログに掲載させていただきました。

このような贅沢なウナギのコースを頂くのは、一生に一度ではないでしょうか。栄養があり、精もつく食材ですから、今年後半へ向けての活力となってくれると思います。

振り返れば第一歯科出版も、昭和61年10月の創業時に「会社の大きさではなく、価値のあり方が歯科で一番の出版社になるように」との願いと心意気をもって命名した社名です。
今回のウナギ料理店「ぬた屋」さんも、店は小さくても「一番」といえる価値を有した名店です。この店の経営者でありながら自らが板長をも務める店主と、編集長である私自身とを僭越ながら重ね合わせ、ウナギで付けた活力も手伝って、志を新たにした九州への旅でした。

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一昨日、日本歯科医師会の「令和8年度都道府県歯科医師会厚生会員担当理事連絡協議会及び同事務担当者会」による厚生会員関係報告につき、取材に行ってきました。
日本歯科医師会の会員数の変動について、各都道府県ごと、年齢別、男女比などによるグラフを提示してご説明いただき、明らかに顕著な傾向があることを知ることができました。

会員の高齢化が言われて久しいですが、これは我が国全体における傾向であるため、やむを得ないところがあります。しかし、問題は歯科医師会への入会率です。
提示された昭和55年から令和6年までのデータによると、歯科医師数は令和2年まで右肩上がりに上がり続け、その後若干減少傾向に入りましたが、昭和55年では53,602人であった歯科医師数が令和6年で103,652人と、約2倍近くに増えています。しかし、日本歯科医師会会員数は、昭和55年の42,978人に対し令和6年は63,429人、つまり入会率が80.2%から61.2%まで下がってしまっているのです。

入会率の低下はどこに原因があるのかを探るためには、今回のデータでは最新である令和6年の都道府県別による会員数および入会率を示すグラフと、男女比によるそれを併せて閲覧すると、一目瞭然でした。
すなわち、都道府県別においては、16,600人もの全国最大の歯科医師の分布地域である東京の加入率が半数を大きく下回っているのです。ワーストの次に続くのは神奈川県。次いで、埼玉、千葉など。つまり首都圏の一都三県が大きく足を引っ張っています。
同じ大都市圏でありながら、大阪の加入率は7割程度と悪くありません。この違いはどこにあるのでしょうか。



また、男女比のグラフを見ると、女性歯科医師はここ数年でこそ頭打ちですが順調に増え続け、平成6年の12,007人から30年を経た令和6年では28,197人に至っています。しかし、会員数は平成6年の5,065人に対し令和6年の6,397人でしかなく、加入率は42.2%から22.7%に下がってしまっています。



以上から、東京都をはじめとする低加入率の地域、また全国の女性歯科医師の皆様に、是非とも意識の改革を呼びかけていかないと、状況は改善しないと思われます。
私とも長年親交を持ってくださっている大阪府開業の吉永勉先生は、地域の大阪府歯科医師会も含めた歯科医師会の活動について、いろいろと物申すべき部分があることは発信されています。しかし、それでも「歯科医師会には入会しよう!」と常々おっしゃっています。
一人の力は弱く、頑張っても限界があるからです。例えば保険点数の現実に改定を求める手段として、団体として結束して国に訴えることが必要です。そして、そうした活動は、患者である国民全体に恩恵をもたらすものと考えられます。

弊社も歯科マスコミの一員として、微力ではございますが、お手伝いさせていただければ幸いです。

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『季刊歯科医療』2026年春号が、先日発刊されました。
特集は「新時代のデジタルデンティストリーに向けて」です。現代社会のデジタル化は至るところで進み、歯科の領域においてもさまざまな分野に波及しています。

デジタルの利点は、データの保管が容易でコンパクトであること、再現が容易で精度が高いこと、人的な技術にさほど左右されず汎用性があること、など数えあげれば切りがありません。アナログの良さは確かにありますが、医療は患者さんのためにも時代の進歩に遅れてはならないと思います。
本特集が少しでもお役に立てればと願っています。

ところで、弊社の所在地である五反田は、目黒川沿いが桜の名所になっています。



数日前の4月12日に撮影した写真です。
ソメイヨシノはもう葉桜ですが、遅咲きの八重桜が満開です。いつも思うのですが、花の盛りの短い桜を、比較的長い期間楽しめるように、開花期の異なる品種を混ぜて植えたことは素晴らしい工夫だと思います。
なお、写真の左端に写っているアクリル板の囲みのような工作物は、電子タバコ専用の喫煙施設です。もともとは囲みのないコーナーだったのですが、最近になってこのように隔離されてしまいました。
私は喫煙者ではありませんが、弊誌最新号のテーマであるデジタル化の波と同様、現代社会の分煙化の波も留まることを知らないようです。

下記に『季刊歯科医療』2026年春号の編集後記を添付します。
本誌に関心をお持ちいただけましたら、是非ご購読ください。お出入りの歯科材料店様、歯学図書専門書店のシエン社様などを取り扱っております。なお、直接弊社にご注文された場合は、送料・代引き手数料ともに無料で、速やかにご送付させていただきます。
また、便利な電子版は、当ホームページ掲載の当該書籍の「試し読み」ボタンから購入できます。こちらは電子決済です。2,200円(税込)とお求めやすい価格になっておりますので、是非ご検討ください。

     『季刊歯科医療』2026年春号 編集後記

◉現代社会のデジタル化は留まることを知らず、歯科においても例外ではありま
せん。診査・診断から補綴治療や矯正治療まで、デジタル化の波は至るところに波及しています。
本号では、「新時代のデジタルデンティストリーに向けて」と
して、5人の著者の先生に最新の情報をご執筆いただきました。
さらに特集末
尾に、それに関連する本年度の診療報酬改定のポイントも掲載しました。本特集の第1項で神奈川歯科大学の星憲幸教授が冒頭に「歯科医療におけるデジタル化の波は、もはや『未来の技術』ではなく『現代の標準』となりつつある」と書かれています。もはやデフォルトなのです。
デジタルネイティブ世代ではない私
からすれば、「アナログを侮るな」とも思いますが、それを言えるのはデジタルを知ったうえでのことでしょう。本特集が、一助となれば幸いです。  (Y)

 ◉好評連載中の舩津雅彦先生が、ご自身の日常の動向とともに、今年度の歯科医師国家試験について書かれています。合格率61.9%ということで、確かに昨年は70.3%なので “ 急落” という報道も見受けられます。新卒と既卒とで合格率の差が大きい問題も、相変わらずということです。
今年の新卒者も不合格となっ
た2割弱は、来年以降は既卒となります。舩津先生も書かれているように、文字どおり「応援するしかない」かもしれません。
しかし、同じように歯学部の入試
に合格し、同じように歯学部の授業を履修して卒業した学生たちです。心が折れなければ(これが一番難しいのでしょうが)、桜咲く春が来ることを信じて、応援させていただきます。  (T)

 ◉吉永勉先生のエッセイは、今号は「困った患者さん」がテーマです。取り上げたケースの一つである患者さんの無断キャンセルは、予約制を導入されている多くの歯科医院で、日常的に困った問題です。
エッセイでは、あまりに身勝手なケ
ースに遭遇し、キャンセル料の設定も考え、結局、見送ったエピソードも書かれています。腹立たしいですが、見送って正解だと思います。今の時代はSNS が発展しており、「○○歯科医院でキャンセル料を盗られた!」などと、さんざんなことを書かれてしまう恐れがあります。
吉永先生の著書『“ ワシはヨシナガ” のリ
スク回避秘伝書』は、10年ほど前の発刊ですが、今でも十分通用する「困った患者さん対策」の虎の巻です。在庫僅少ですがまだ間に合います。未読の方は是非ご購読ください。  (K)       

◉東京では桜の蕾がほころび出した3月半ば過ぎ、外出先から帰社すると、本誌のDTP(組版)を担当するマイセンスの平野さんの訃報が届いていました。
体調を崩して1週間前から入院していたことは本人からの連絡で知っていましたが、まだ50代、程なく回復して戻ってきてくれるものと信じていました。本誌制作の真っただ中のことです。平野さんから託されて業務を引き継いだフリーの仕事仲間の方によれば、最後まで弊社の仕事を気にかけていたそうです。
仕事で
もプライベートでも、核として残るものは“人柄” だと思います。本誌表紙の斬新なリニューアルをはじめとするデザインの才能や、人柄に惹かれてここまで来ましたが、『平野さん、そんなに無理しなくて良かったのに…、死んだらおしまいなんだよ!』と言いたい自分があります。
担当してくれた最後の本誌を、いろい
ろな方の協力で読者の皆様にお届けすることができ、満開の桜とともに感謝申し上げます。  (F)

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昨日、令和8年2月22日、東京の帝国ホテルで「鶴見大学歯学部同窓会 創立50周年記念式典」が華々しく開催され、日本歯科医師会の高橋英登会長や歯科医師連盟の太田健司会長をはじめとする歯科界の重鎮から、花田信弘先生や瀬戸かん(日に完)一先生ら弊社出版物で大変お世話になった鶴見大学の先生方、外部からも大阪歯科大学の川添尭彬先生など、錚々たる教授陣が多数出席されました。私たち歯科記者会や日本歯学図書出版協会の面々も招待され、私もありがたく末席につかせていただきました。

式典は格式高く、それでいて和やかで、鶴見大学の建学の精神や歴史を、改めて知ることができ、大変有意義な時間でした。




鶴見大学は1970年創立、一期生が卒業する1976年に同窓会が発足したため、今年は同窓会50周年の記念すべき年になります。
当初の数年間は女子のみの歯学部でした。これは同大学を運営する学校法人總持学園が曹洞宗大本山に属し、同宗派は女人救済の宗旨があることから、女子大学として発足したものです。実際、歯科は細やかな心配りと器用さが求められますから、女性に向いた職業でもあると思います。そして共学となった後も、女子学生に人気のある歯学部の一つです。

式典出席の記念品として曹洞宗大本山總持寺貫首の揮毫による扇子を頂戴しました。



貫首様が扇子に書かれた言葉は、ご自身が歯科医院で治療を終えて表に出ると、さわやかで清々しい風が吹いたときの思いを書かれたものだそうです。
仏教の、特に禅宗でいう「清風」とは、単に清らかな風というだけでなく、煩悩や執着の消え去った穏やかな心持ちを表すそうです。それが、歯科の治療を受けた後の貫首様の心象風景だったというのです。式典の日和と趣旨にびったりな、優しく美しい言葉です。
何かと殺伐として都会の日々ですが、人の心も「清風」であれ、という有難い教えだと思い、胸に刻みました。

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昨日(2月22日)、有楽町の東京国際フォーラムで開催された「日本歯科衛生士会創立75周年記念の会」を取材させていただきました。



戦後の動乱が少し落ち着いた頃に発足した会になります。75年の歴史には、その時々の時勢においてさまざまな苦難があったことが推察され、関係した皆様のこれまでのご努力に感じ入るところがありました。

近年は歯科衛生士不足が歯科界全体の問題となっており、多くの歯科医院が歯科衛生士の確保に悩まされています。
ジェンダーレスの時代とはいえ、歯科衛生士はまだまだ多くは女性によって支えられている現実があります。女性特有の出産・育児に伴う産休・育休、ひいては不妊治療まで、女性のライフステージに関わる問題と労働との兼ね合いの難しさが浮き彫りになっており、こうした労務上の問題は本来の歯科衛生士業務以上に注目されているともいえます。

先日、こうした問題を社内で話していたところ、女性スタッフが「仕事をする場において、本来は個人の領域である生殖にまつわることにそこまで振り回されるのであれば、そもそも女性を採用しなければよいという企業も出てくるのでは?」という意見を述べました。このスタッフ自身も女性なので現状を否定するわけではなく、あまり多くを望むと、せっかく雇用機会均等法などで男女差別を無くしてきたものを、女性自らが引っ繰り返してしまうのではないかという危機感のようです。

いやいや、そうは言っても、現在の日本では歯科衛生士は女性が圧倒的多数であり、その多くは結婚します(結婚すれば子どもも生まれます)。だから歯科医院の院長は、日々苦闘しながらも、歯科衛生士の確保に尽力しているのです。
需要と供給のバランスから、歯科衛生士の収入も順調に上昇しているようです。一般の会社員女性より好待遇となれば、歯科衛生士の志望者も必ず増えてくるはずです。

はたして日本歯科衛生士会が75周年から100周年を迎える頃には、歯科界における歯科衛生士事情はどうなっているでしょうか。私は、予防と口腔機能管理などで、現在以上にその業務の価値が上昇し、国民のニーズが増していると思います。
将来を楽しみに見守るとともに、歯科マスコミとして応援していきたいと考えています。

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今年初めてのブログ更新となりました。
今年もよろしくお願いいたします。

東京はここ数日は比較的暖かく、過ごしやすい気候です。
昨日は、都内の基幹路線である山手線が一時不通となり、朝の通勤客などに大きな影響が出ました。弊社は山手線の五反田駅から徒歩3分程の場所に位置しますが、地下鉄や私鉄も通っているため、私やスタッフの通勤には幸い支障が生じませんでした。

しかし、午後になって都心の官庁街に出かける用事があり、もう大丈夫だろうと山手線に乗車すると、まだ混維していました。発車間隔が2~3分おき、遅くとも5分以内には次の電車が到着する山手線はとても便利な路線です。しかし、便利さはそれに慣れ切ってしまっている分、一旦歯車が狂うと大変な混乱になることを再認識しました。つい油断していますが、日ごろの危機管理が大切かもしれません。

さて、今年は単行本の面白い企画が何本か進んでおり、読者の皆様に良い形でお届けできるように頑張らなければなりません。
その前に今月10日、弊社雑誌「季刊歯科医療2026年冬号」が発刊となりました。雑誌の個性や見どころを伝えるために、巻末の「編集後記」を本ブログに転載することにいたします。4本めの編集後記の「F」が私です。ご笑読のうえ、雑誌購読のきっかけにしていただける方がいらっしゃると嬉しいです。


『季刊歯科医療2026年冬号』 編集後記

◉近年、子どもの齲蝕が減少し、歯科医療は矯正治療や口腔機能の改善に重点を置かれるようになりました。かつては「様子をみましょう」と言って先送りにされていた治療も、現在は早期介入の重要性が周知されつつあります。今号では、「口腔機能発達不全症への対応を考える」として、小児における口腔機能発達不全症の早期発見・早期介入等、対応策について特集を組みました。
子どもの口呼吸の弊害が指摘されますが、これは大牟田市開業の大坪建夫先生が、師である高木友三先生から数十年も前に学び、進化させて後進の歯科医師らに伝え続けたことです。いまや、口腔機能管理が保険点数に組み込まれる時代です。
歯科は、幼少時から亡くなるまで、人の一生に関わることのできる幸福な医療であることを、改めて認識させられました。 (Y)

◉昨年12月、弊社が所在する東京・五反田で開催された品川区主催のAI 関連のセミナーに、編集長らと参加しました。私自身は、スマホで検索すると自動的にAI モードが先頭に表示されることが結構あり、無料のチャットGPT を試みた程度の知識しかありません。しかし昨年夏頃、自宅の除湿器の不具合を検索したところ、当該機種は出火の危険性があるためリコール対象になっていることをAI が勝手に教えてくれて、驚いてメーカーに連絡した経験から、「AI さん(もはや「さん」付け)、侮りがたし」の思いを強くしていた矢先でした。
セミナーでは、『AI エージェント』という言葉を初めて聞き、2025年の1年で急速に開発された分野であることを知りました。そして2026年は、それが一般に普及する1年になるとのことです。
SF 作品では、人間が逆にロボットに使われる近未来が描かれることがありますが、AI に支配されないという強い信念さえあれば、非常に有用だと思います。 (K)

 ◉吉永勉先生のエッセイ『開業歯科医のほんとの言葉』は、今号は「ウサギとカメ」のタイトルで、歯科行政および歯科界に対する、辛口ではあるけれども愛のある叱咤激励の随想を記されています。歯科医師も年齢を重ねるが、患者さんも同じように老いてくるということは、どの世界においても通じるお話です。
幸い、吉永先生の医院ではご子息が後継者として立派にご成長されているので、頼もしい限りです。吉永先生はご自身を「ウサギ」、ご子息を「カメ」にたとえていらっしゃいますが、私はウサギもカメもどちらにも良さがあり、甲乙付けがたいと思っています。
14年近く続いた同エッセイは、電子書籍としてまとめるべく、新年の誓いといたします。 (T)

◉近年は、本当に1年がジェットコースターのように高速であり、変化も激しいと感じます。年齢のせいだけでなく、時代が一つの変革期に来ているのだと思います。『健康歯学概論』を連載中の清水英寿先生は、優れた人形作家でもあり、江戸文化に対する造詣も深く、お話しの面白い方です。そのため、昨年1年間はNHK の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺』の話題で、お互いに盛り上がっていました。
18世紀後半を描いた大河ドラマは初めてであり、子だくさんで知られる徳川家斉の本格的な登場も初のこと。そんな江戸の時代に、果敢に斬新な企画を切り拓き、エンタメの新しい風を吹き込んだ蔦屋重三郎は、まさに時代の風雲児です。現代にも通じる出版文化の歴史に触れ、私も大いに啓発されました。
清水先生は、恐れ多くも私と蔦重を重ねてくださいましたが、今年も志だけは負けずに進んでいきたいと思います。 (F)

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早いもので、もうすぐクリスマス、それが終わると今年は12月26日で仕事おさめ、そして1月4日まで年末年始休業のところが多いようです。カレンダーの並びでは9連休ですね。
本日(12月21日)は、連休に入る前では最後の日曜日です。

今年は、日曜日と言えばNHKの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」を観るのが楽しみの1年間でした。先週(14日)の放送は、主人公の蔦屋重三郎が亡くなり、仕事仲間らのにぎやか屁踊りに囲まれ、芝居の終了を知らせる拍子木が鳴って「おしまい」となりました。最後まで明るく、粋な最終回の演出でした。

しかし、日曜日の楽しみがなくなってしまっただけでなく、まだ死ななくても良いはずの主人公の死はやはり寂しいものであり、「何で脚気なんかで死んでいるのか」と思わずにいられません。白米に梅干しと具のない味噌汁だけではなく、雑穀米や小豆飯、ウナギや小魚、海藻類などは食べられなかったのか、と残念に思います。
想像するに、吉原っ子の蔦重は、市中の江戸っ子以上に「粋(いき)」というものをこだわっていたのではないか、と。彼らが一番嫌うのが、粋の対極にある野暮(やぼ)です。「白い飯に梅干しこそが粋。具だくさんの味噌汁や、おかずを沢山つけるとか、野暮なことはしねぇ」と思っていたのではないかと、勝手に想像しています。板元(現代の版元)として成功している蔦重に、さまざまな食品を食べる財力がないとは思えないし、他の板元は脚気になっていませんから。

弊社発行『季刊歯科医療』で「健康歯学概論」を好評連載中の清水英寿先生は、人形作家でもあり、ご実家の商いからも織物や和装に関してはプロです。江戸文化にも造詣が深く、私と同じように『べらぼう』を毎週楽しみにご覧になっていたそうです。そんな清水先生から、蔦重と私とを重ね合わせて観ていたなどと、過分なお言葉をメールでいただきました。
もちろん遠く及びませんが、「それでは私は『書をもって、歯科界を耕す』(笑)」などとメールを返しました。
私などが、調子に乗るはずもありませんが、死ぬまで本を作り続けた蔦屋重三郎の生涯は尊敬しますし、また横浜流星さんの演技も素晴らしかったです。
微力ではあっても、志だけは負けずに頑張ろうとの思いを強くしました。

閑話休題、いつも素敵なグリーティングカードを送ってくれる方から、今年もユニークなクリスマスカードが届きましたので、皆様に一足早い「メリークリスマス!」といたします。

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 令和7年10月28日、東京市ヶ谷のアルカディアで「日本私立歯科大学協会 第16回プレスセミナー 歯科医師の現状~歯科医師へのニーズの高まり~」が開催され、取材いたしました。会場とインターネットとのハイブリッド式のセミナーです。

 日本の全歯科医師の約75%が私立歯科大学ないし私立大学歯学部のご出身だとのこと。歯科界においていわば大勢を占める私学は、国公立とは異なる特性を生かした活動や社会への貢献が可能であり、そしてマスコミなどを通して広く国民に働きかけることが大切です。その理念のもと、2010年10月から始まった歯科プレスセミナーも今年で第16回目を迎えました。

 まず、神奈川歯科大学の桜井孝学長による「歯科医師の現状~歯科医師へのニーズの高まり~」の講演がありました。高齢化社会で、訪問歯科診療をはじめとする歯科医師の果たす役割はますます期待されています。 そのなかで印象的であったのが、「職業別年収ランキングで歯科医師は第3位に浮上!」という項目です。令和3年に8位であったものが、令和6年には航空機操縦士と医師に次ぐ3位に上がっていました。注目すべきは、この3年間で医師がやや減額であるのに対し、歯科医師は1.4倍以上に増額し、医師の差も200万円ほどに縮まっていることです。歯学部を目指す学生を増やすには、高収入な職業であることをアピールすることが一番ではないでしょうか。今の若者に限らず、努力が収入に反映することは端的に嬉しいものであり、やりがいに繋がると思うからです。

  次の日本歯科大学の沼部幸博教授の基調講演「歯周病と全身疾患との関連の展望」の後に続くパネルトークも、やはり歯科と全身をテーマにした「歯科医師・医療者が語る『口腔から考える全身の健康』」です。

 お口の健康は全身の健康に密接に関わることは、最近で一般社会でも認知されるようになってきました。そして、歯科医師は0歳から100歳まで、その人の一生に関わることのできる職業です。これは他の診療科目にはなかなかないことだと思います。そう考えると、歯科の未来は明るいものであると言えます。
 歯科の将来に大きな可能性をに見出すことのできる有意義なセミナーでした。

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