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お知らせ(2023年04月)

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昨年、弊社より発刊された吉田渉先生の『お口の取扱説明書―健康でいたければよく嚙むのをやめなさい』は、タイトルの斬新さからも読者の注目を集め、お陰様で初版第1刷が在庫僅少になりつつあります。

私たちは、子どもの頃から「よく嚙んで食べなさい」と教育されてきました。しかし「よく嚙むこと」イコール「強く何度も嚙む」と解釈してしまったため、よく噛むことによりお口を破壊し、ひいては全身の健康を損なう現状に警鐘を鳴らしたのが、上記単行本「お口のトリセツ」(略称)です。
本書では、患者さんのタイプを仕分けた「吉田の分類」をベースに、各タイプごとの対応をまとめています。
ただし、患者さんの多くは明確な区分はしにくく、境界型も多いため、本書の読者の先生から編集部に「吉田の分類」についての質問が寄せられ、吉田先生から回答をいただいたケースもありました。

そんななか、今月発刊の「季刊歯科医療 2023年春号」の原田幹夫先生の論文「咬合力が強すぎる患者をひと目で見抜く方法」が掲載されました。
すなわち、パノラマエックス線写真から読み取ったMGA(Modifide gonial angle)により咬合力の強さを見抜く指標とする手法です。
いわゆるエラが張った、顎ががっちりした人(ホームベース型や四角い顔)は咬合力が強くなりがちです。咬合力計を持たなくてもパノラマはほとんどの歯科医院で保持しているため、咬合力の強さをMGAで見抜けるというわけです。



そして、口腔内を診査すると、歯の摩耗でプラシキズムがあるかどうかも見てとることができます。原田先生は、MGAが120度より小さいと咬合力が強く出るとして、ブラキシズムの有無とMGAの大小の組み合わせで、歯の破折リスクを診断されています。

この原田論文の展開に、私は思わず膝を打ちました。吉田の分類にこの原田先生のMGA理論を加味すれば、「新・吉田の分類」として最強ではないかと。
人は数字による説明には、納得しやすいところがあります。吉田先生が「健康でいたければよく嚙むのをやめなさい」という信念のもと、これまで培ってきた患者さん指導術に加え、「あなたのMGAは110度だから、歯が破折する恐れがありますよ」と言われれば、さらに効果が上がるのではないでしょうか。
まだまだ発展していく可能性を秘めた吉田渉先生の「お口のトリセツ」です。

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昨日、松元教貢先生の訃報を突然知らされました。
長らく、弊社発行『季刊 歯科医療』で、即時荷重インプラントの連載をご執筆いただいていました。近年、体調不良とのことで、またご家族のご事情などもあっていったん休筆、落ち着いた頃合いを見て連載再開の予定でしたが、かなわぬこととなってしまいました。

即時荷重インプラントのパイオニアとして、いつも10年先を見据えられて、世間の変化を見ながら「時代がようやく私について来た」と、よく笑いながらおっしゃっていました。そして、座右の銘として「夢は叶う!」とも。
弊社からは、2009年(平成21年)に、単行本『MISを追究したインプラント―患者さんのための低侵襲・即時荷重インプラント』を上梓されました。当時としては画期的な最新鋭の書籍です。
紙書籍は完売し、その後、弊社電子書籍の記念すべき第1号として発売されました。
今でも、購入してくださる読者が絶えない、ロングセラーとなっております。



本書のなかで、「ノリポンのちょっと一言」というコラムを掲載しており、キャラクターとして、子タヌキのイラストを使用しています。
松元先生は当初、「うーん、私のイメージはこんな感じですか?」と複雑な反応をされましたが、医院のスタッフから「この、ちょっととぼけたようなキャラがピッタリ」と言われたそうで納得してくれました。

臨床技術はもちろんのこと、明るく素直なお人柄で多くの人に愛された松元先生です。
歯科医療の最先端を速足で駆けていきながら、人生の最後までも先に駆け抜けていってしまいました。寂しく、残念でなりません。
ご遺族および関係者の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。

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