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編集長のブログ56 第15回フォーラム8020

12月2日、千代田区の歯科医師会館で、第15回フォーラム8020「健康寿命の推進と新たな8020運動の展開」が開かれ、出席しました。医科歯科連携をいかにすすめていくべきか、をテーマにしていますが、医科歯科に限らず、他職種連携にまで議論は発展しています。

8020運動は、1989年から国民運動として始まり、現在に至ります。その歴史を振り返り、時代の証人としての先生方のお話も聞かれました。
8727(87歳で27本残存)の若者顔負けの方、また対照的に9600(96歳で無歯顎)だけど総義歯で何でもよく食べる方の症例も紹介されました。食べることが全身の健康にどれだけ影響するか、とても考えさせられる講演が続きました。

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糖尿病患者と歯周病との関係は大変興味深く、鶏と卵ではありませんが、どちらが先かと言えばやはり糖尿病が先のようです。こうした全身疾患を持つ患者さんや、要介護の患者さんに対する訪問診療では、医科歯科連携から他職種連携は必須になります。

寝たきり患者さんの口腔内は「もはや歯周病の域ではない」との言葉は、「季刊・歯科医療」2017年夏号・秋号掲載の奥原利樹先生の「訪問診療のススメ」で現場の様子を知らされていた身としては、痛いほど理解できました。そして口腔ケアは施設の看護師や訪問看護師では行き届いた処置はできず、やはり歯科衛生士の役割が非常に大きくなります。

最後はシンポジウムです。



歯科に課せられた使命と明るい未来が見えてくる、非常に有意義なフォーラムでした。

ひとつ私なりの意見としては、健康寿命の延伸はもちろん大切ですが、皆が皆「ピンピンころり」でなくてもよいのではないでしょうか。病弱だけれど毅然と生きている方もたくさんいますし、たとえ認知症が進んでも感情までが失われるわけではありません。
「人に迷惑をかけずに死にたい」と言う人がいますが、私は歳を取ったり死ぬときは多かれ少なかれ迷惑をかけてもよいと思うのです。寝たきり患者さんなどが肩身の狭い思いをする必要のない社会を作ることも大切ではないでしょうか。

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