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編集長のブログ52 19番がマウンドへ

『季刊 歯科医療』2017年秋号で、「即時荷重インプラントの最前線」を好評連載中の松元教貢先生が、治療した覚えのない患者さんから電話で抗議を受たというエピソードを書かれていました。他の医院で治療を受けたが予後不良で、その先生が松元先生の著書に従って治療をしただけだというような弁解をしたために、矛先が松元先生に向かったという笑えないお話でした。
そもそも技術も状況も違いますから、松元先生はこれは私のレアケース、各先生はご自分で考えてほしい、という趣旨の言葉を常に述べています。

同じく弊誌で連載中の舩津雅彦先生は、昨年から「舩津教室―誰でもできる咬合治療」というセミナーを開催していますが、受講者に「私を疑え」と述べています。これは舩津先生の臨床の師である大坪建夫先生から常々言われた言葉だそうです。
師に教えを請うたり他者から学ぶことはとても大事なことですが、鵜呑みにするのは禁物で、自分の臨床は結局自分で作りあげて行くしかない、ということだと思います。

現に、大学の歯科教育では未だに抜歯矯正が主流ですが、それを疑ったことから大坪先生や舩津先生の矯正・咬合治療は始まりました。前述の松元先生にしても、世間が即時荷重に否定的な時期から、それに反し自分の信じた道を究めたからこそ、即時荷重インプラントの第一人者としての今があります。

ところで、昨夜はプロ野球のセ・リーグCSファースト最終戦、阪神が横浜に1対6で敗れました。藤浪晋太郎投手は6回から救援登板し、2回を無失点で抑える好投でした。



苦しんだシーズンでしたが、マウンドに立つ19番への球場全体がどよめくような歓声と拍手に、やはり特別な選手なんだなと改めて思いました。
かねてより私は、彼の歯並びと不正咬合が不調の原因のひとつで、体が大きくなったことで今季はその影響が如実に表れバランスを崩したと考えているのですが、舩津先生ら非抜歯矯正の臨床家ならば、23歳の藤浪投手に対してどのような咬合治療を行うのだろうかと、とても興味があります。

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